「アイヌの美しき手仕事」展にいってきました

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(※1月25日、展示開始初日に訪れた際の記録になります。予めご了承ください。)

みなさんこんにちは。

ここ数年、「ゴールデンカムイ」(野田サトル作/週刊ヤングジャンプ連載)を愛読しています。
様々な賞を受賞しているのでご存知の方も多いかと思いますが、
ざっくり説明してしまうと、北の大地・北海道に眠る秘蔵の金塊を探し求めるサバイバル漫画です。

時代設定は明治末期。“あるもの”を揃えて“繋げる”と金塊の在り処のヒントになるのだが…



迫力のあるアクションも見どころですが、主人公達の本来の目的(金塊)を忘れてしまうほど、先住民族・アイヌの生活や文化、信仰、グルメが緻密に描かれています。

特に登場人物が身につけている衣服(アイヌ語でアットゥシと呼ばれます)や
小物に惹かれて実際の写真を探して観覧したり、表記されている素材からだいたいこんな感じかな?と想像だけはしてきましたが、やはり実物が見たい。
飛行機に乗って北海道の資料館まで行ってみようか…?と予定を立てていたところ、宮城県美術館でタイムリーな特別展示が!



「アイヌの美しき手仕事 柳宗悦と芹沢銈介のコレクションから」
(※終了しています。会期:2020年1月25日〜3月15日まで)
柳宗悦と芹沢銈介が収集したアイヌの民芸品を展示。
民藝の父と人間国宝が収集したコレクションです、見応えが無いわけがありません。



衣類がずらりと並んだこの展示は、約80年前(!)、日本民藝館で「アイヌ工藝文化展」が開催された時の配置を再現しているそうです。当時作品の選定とディスプレイを担当していたのが芹沢銈介。

「ただに美しいのみならず、立派でさえあり、神秘でさえあり、其の想像の力の容易ならぬものを感じる」と、柳宗悦は言葉を残していますが、本当にその言葉通りのコレクションの数々でした。
実際に見てみないと分からない手の込んだ刺繍や独特な模様、暮らしに沿った道具の工夫と造形美にただただ圧倒。もちろんミシンやレーザーカット技術などは使われていません。どの道具を見ても、気の遠くなるような手作業によって丁寧に作られており、普段の自分の道具の扱い方を顧みました。

また、この展示を見るまで知らなかった道具や、「赤モスリン地切伏刺繍衣裳」など貴重な展示もありました。アイヌの文化にはまだ謎が多いそうで、これからも深く追求することができそうです。

自宅で過ごす時間が増えましたが、この展示を思い返して、自宅だからこそできる手仕事や、普段後回しにしてしまうような家事や道具の手入れなどをゆっくり、丁寧にやろうと計画しています。
日々変わる状況に対して不安や焦りがあると思いますが、無理せず乗り切りましょう。